Microsoft Teamsで会議を実施し、それを録画してMicrosoft Streamに保存している人は多いかと思います。
2021/1/7からTeamsでの録画データの保存先がStreamからSharePoint/OneDrive for Businessに変更されます。
挙動の違いと保存先変更の回避策について記載しました。
新しいMicrosoft Stream
先日Streamのリプレースが発表され、新しいStreamの概要と移行についてなどの情報が公開されています。
新しいStreamでは独立した保存容量が廃止され、データはSharePointまたはOneDrive for Business上に直接配置されます。
それに伴い、Teams会議の録画データの保存先がStreamからSharePoint / OneDrive for Businessへ変更されることになりました。
録画データの保存先の変更は2021/1/7から自動で行われます。
挙動の違い
現: Stream
- アップロード先はStream
- アップロードした動画はStreamの容量を消費する
- インスタント会議やグループチャットからの会議録画は録画実施者のビデオとしてStream上にアップロード
- アクセス権限は会議に参加したメンバーにのみ付与される
- チャネルに紐づいた会議録画はグループのビデオに保存
- アクセス権限は該当のグループに対して付与される
- Streamのアップロード権限がない場合などは自動アップロードはされず、20日間で消えるテンポラリ領域に格納される
新: SharePoint/OneDrive for Business
- アップロード先はSharePoint/OneDrive for Business
- 「レコーディング」フォルダが自動作成され、その配下に設置される
(多分言語によってフォルダ名が変わる)
- 「レコーディング」フォルダが自動作成され、その配下に設置される
- アップロードした動画はSharePoint/OneDrive for Businessの容量を消費する
- インスタント会議やグループチャットからの会議録画は録画実施者のOneDrive for Businessにアップロード
- アクセス権限は会議に参加したメンバーにのみ付与される
- 既定の共有設定に準ずる共有リンクは自動作成されない
- チャネルに紐づいた会議録画はグループのSharePointサイトに保存
- アクセス権限は該当のグループに対して付与される
- 既定の共有設定に準ずる共有リンクは自動作成されない
- SharePoint/OneDrive for Businessへは基本書き込み権限があるのでアップロード失敗はない(容量不足については未調査)
- 既存の録画データはSharePoint/OneDrive for Businessへ自動で移行されていない
※会議開催形態と録画者によって保存先が変わるので詳細は公式ドキュメント参照
変更による影響
アップロード先が変わることにより、主に以下の懸念が想定されます。
- アップロードされた動画のアクセス権
- SharePoint/OneDrive for Businessの容量枯渇
- 既存録画データの移行
アクセス権についてはStreamと同様に会議参加者もしくはグループにのみ権限が付与されるため懸念不要です。
SharePointの共有リンクの既定の設定が適用されないか心配しましたが不要でした。
容量枯渇について、現状はSharePointとStreamで容量計算が分けられていたため比較的気軽に録画及びStreamへのアップロードが可能でした。
SharePoint Online Plan2 であればOneDrive for Businessは(一部手作業での拡張はありますが)容量無制限ということになっていますので、インスタントな会議録画についてはそう心配いらないでしょう。
ただし、SharePointサイト上へのアップロードによる容量消費については注意しておいた方がいいと思われます。
特にサイトごとにクォータをかけるなどより厳しく制限をかけている環境においてはテナント全体の容量のほか、サイトごとの容量管理も必要になります。
既存録画データの移行については現状手動ダウンロード・アップロードしか手立てがありません。
ただし、新しいStreamの移行において、2021/Q2以降で移行手段が提供されるとの記載がありますのでそれを待ってもいいかと思います。
録画保存先の変更を延期する
2021/01/07からTeams会議の録画保存先は自動でSharePoint/OneDrive for Businessへ変更されます。
PowerShellから会議ポリシーに対する設定をすることでこの変更を2021/03/01まで延期することが可能です。
変更は以下のコマンドで実施します。
複数の会議ポリシーを運用している場合はGlobal以外のポリシーにも実施が必要です。
Import-Module MicrosoftTeams
$session = New-CsOnlineSession
Import-PSSession $session
Set-CsTeamsMeetingPolicy -Identity Global -RecordingStorageMode Stream
設定対象は Set-CsTeamsMeetingPolicy の RecordingStorageMode で、このパラメータは「Stream」と「OneDriveforBusiness」のどちらかの値を入力可能です。
予めGet-CsTeamsMeetingPolicy をすると現時点でも「Stream」となっているかと思いますが、延期させる場合には明示的にコマンドを再実施する必要があるとの記載でした。
まとめ
新しいStreamへの移行に伴い、Teams会議録画の挙動が変わります。
管理者は変更の内容把握と必要に応じた延期措置を取りましょう。
新しいStreamはまだ不明な部分も多いため早期の情報キャッチアップが必要になるかと思われます。
メッセージセンターや公式ブログなどを参照して早めの対応をとれるよう心掛ける必要があります。12月下旬になってようやく気付いてこの記事を書きました