Microsoft Teams 共有チャネルのデータ保持と電子情報開示

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この記事は Microsoft365 Advent Calendar 2022 2日目の記事です。

Microsoft Teamsの共有チャネル機能は2022年8月ごろに一般提供され、プレビューに申し込んでいない組織でも利用できるようになりました。

共有チャネルではこれまでのゲストユーザーとのやり取りで不満の多かったテナントの切り替えや通知の不備などが解消され、協業する他組織とよりダイレクトにコミュニケーションをとることが可能になっています。

反面、各種ハラスメントや悪意のあるデータ削除などの対応としてデータの保持とその検索を懸念する管理者もいるのではないでしょうか。
この記事ではMicrosoft Teams 共有チャネルのデータ保持・開示について説明します。

データの保持

Microsoft Teamsのアイテム保持ポリシーの作成はMicrosoft Purview管理センターで行えます。
共有チャネルのチャネルメッセージは親チームのメールボックスに、ファイルは親チームとは異なるSharePointサイトに格納されています。

公式ドキュメント 内で共有チャネルがアイテム保持ポリシーでサポートされている旨の記載があり、
既に組織全体を対象としたTeams/SharePointのアイテム保持ポリシーが設定されている場合は変更の必要はありません。

Teamsのデータの保持についてはこのブログでも一度記事にしており、当時のUIでのスクリーンショットとなっていますが、新規でアイテム保持ポリシーを作成する場合は多少の参考になるかもしれません。

必要ライセンス

共有チャネルのメッセージはMicrosoft Purviewの「標準」の電子情報開示では検索できず、「Premium」の機能を利用する必要があります。
「標準」の電子情報開示機能の利用自体も有償のライセンス購入が必要ですが、「Premium」の利用にはより上位のライセンスの購入が必要です。

電子情報開示のオプション

Microsoft Purviewの電子情報開示機能と必要ライセンスは公式ドキュメントに記載があり、「Premium」機能を利用するためには一般企業においてはM365 E5を利用するか、もしくはM365 E3にアドオンを追加することで利用可能です。
注意点として、M365 Business Standard/Premium 等のライセンスでは別途アドオンを購入してもPremiumの機能を使うことができないようです。ベースライセンスの種類で制限がかかってしまうのは残念ですが、現状ではEnterprise系のライセンスでのみ利用が可能です。

標準検索とプレミアム検索の比較

上記の検証のため、共有チャネルを作成してメッセージを投稿し、それぞれの電子情報開示機能で検索をかけてみました。テストデータとして、以下のようなメッセージを投稿しています。
検索対象とクエリを同一にし、標準機能とプレミアム機能のそれぞれでメッセージを検索します。

標準検索

プレミアム検索

標準の検索機能ではアイテムがヒットせず、プレミアムの検索機能で3アイテムがヒットすることが確認できました。やはり共有チャネルのデータの検索は標準検索ではできないため、上位のライセンスの購入が必要なことがわかります。

まとめ

Microsoft Teams共有チャネルは組織間のコミュニケーションに便利な機能ですが、情報の保全ということを考えた時にライセンスの面から少々難しい部分もあるようです。
特にベースライセンスの種類によって保持データの検索ができないことがあるため、この点は今後改善してくれると嬉しいポイントかなと思います。

共有チャネルは特に組織外のユーザー・チームとの共有に主眼が置かれがちですが、自組織内部での共有においても大変便利な機能です。ライセンスに問題がないという管理者の方はぜひ共有チャネルの機能を有効化し、自組織内部のみでもTeamsを活用してみることでよりコミュニケーションが活発になるかもしれません。

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