Microsoft Teamsはとても便利ですが、作成したチームのメンバーシップはチームオーナーが手動でメンテナンスする必要があり、特にメンバーの入れ替わりが起きやすい期末・期初あたりにセコセコといじる羽目になります。
~10名程度のチームなら手動メンテナンスでもいいのですが部署ごとなどのチームを作るとあっという間に数十名まで膨れ上がるため既に存在しているセキュリティグループを指定してあとはセキュリティグループ側のメンテナンスだけで済むようにしたいものです。
先日から、組織全体のユーザーが所属し、ユーザーの新規作成・削除に合わせて自動でチームへの追加・削除を実施してくれる新しい設定が登場しました。
参考: 公式ドキュメント
作成方法
作り方としては通常のパブリック・プライベートチームと同じく、新規にチームを作成する際に「プライバシー」欄で選ぶだけです。
組織全体のチームにはTeamsライセンスが付与されている全てのアクティブユーザーが追加され、新しくユーザーが作成されると自動でチームに追加されます。
ゲストユーザーは組織全体のチームには追加されません。
組織全体のチームはユーザーが自由に出入りできず、チームオーナーのみがチームへのメンバー追加と削除を行うことができます。
組織全体のチームの制約
組織全体のチームはOffice365の全体管理者以外は作成することができません。
(ユーザーが自由に作成できても困ると思いますが…)
組織全体のチームを作成しても参加メンバーにメールは届きません。
メールが届いても問い合わせが殺到しそうですが気づかれない可能性があるので、後述する「自動でメンバーのお気に入りに登録」などのオプションを有効にしたほうがよさそうです。
また、組織全体のチームを作れるのは現時点で1,000ユーザー以下の組織だけとのことで、将来的にはその制限をより緩和していく予定とのことです。
しかし、私の管理するOffice365テナントは所属数・割り当てライセンス数ともに確実に1,000以上のユーザーがいるのですが組織全体のチーム作成オプションは選択できるようでした。
流石に影響範囲が広すぎて試せないので勇気あるどなたかが試すのを待っています。
組織全体のチームに自動で追加されないユーザー
Twitterで組織全体のチームについてぽろっと呟いていたところ、おおたさん(@hrfmjp)からAzureADのパラメータを見て動作しているのではないかと海外のブログ記事を紹介いただきました。
こわくて試せないのですが、このブログによると Azure AD のユーザーオブジェクトの UserType を見て動作しているっぽい?かもしれないですね。 https://t.co/5FINTOignN
— Ota Hirofumi (@hrfmjp) 2018年10月15日
こちらの記事によれば2014年ごろに作成したユーザーはUserType属性が空になっており、組織全体のチームに追加されなかったため手動でUserType=”Member”としたところチームに追加されるようになったということです。
あいにく私の管理するOffice365テナントは比較的新しくUserType属性が空のユーザーはいなかったのですが、疑似設定ということで検証テナントでUserType=”Guest”を設定したところ組織全体のチームには追加されず、UserType=”Member”としたユーザーのみチームに追加されることを確認しました。
古くからOffice365を利用しているテナントについてはこの際にAzureADのUserType属性を確認してみるといいかもしれません。
組織全体のチームの活用について
いわゆる全社に周知する事項などがある際に、今までは社内のポータルサイトであったり全社員メーリングリストなどを活用していたところがTeamsでも可能になった、という選択肢の一つとしてとらえるのがベターかと思います。
MSのベストプラクティスとして一般チャネルはオーナー以外書き込めない設定にする、チーム・チャネル宛のメンションは禁止する、自動でメンバーのお気に入りに登録するなどの記載があり、活発な議論というよりは情報の周知名目で使うのがよさそうです。
このページの冒頭にも書きましたが、個人的にはセキュリティグループを「展開せずに」チームのメンバーとして登録するオプションが登場してほしいものです。